中古車流通の仕組み|オートオークションについて

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流通

こんにちは、サケノリです。

今回のテーマは『中古車流通の仕組み』についてです。

あなたが車を売ったとします。

その車って、売った後どこへ行くのでしょうか?

また中古車販売店は、どこで車を仕入れているのか?

そのカギとなるのが『オートオークション』です。

実はほとんどの中古車は、オートオークションを仲介して流通しています。

今回の記事を読めば、中古車の流通について理解できます。

車を売ったり、中古車を買うときの予備知識として参考にしてみてください。

最初に自己紹介をしておきます。

サケノリといいまして、当ブログを運営しています。

現役の営業マンで、主に車の販売・カーリース・買取査定・保険提案などを本業としています。

所持している資格は、自動車査定士・自動車整備士・保険募集人などです。

仕事がら、オートオークションへ車を出品、または買い付けなどもしています。

車のプロとして、今後も有益な情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

では、さっそく始めていきます。

もくじ

オートオークションを解説

オークション会場

オートオークションの概要

オートオークションは大別すると2種類あります。

野菜市場のように現物を見て競に参加する現車オークションと、インターネット上のオークションです。

そして現車オークションの会場は、全国で約100カ所ほどもあります。

でもあまり見かけないですよね?

車が数百から数千台プールされる広大な敷地が必要なので、田舎や山奥などにある場合が多いからです。

ちなみにUSS東京などの巨大会場だと、プール内で送迎車が走っているくらいの規模です。

各オークション会場は会員制のため、一般の人は競に参加できません。

古物許可証を所持していることが、最低限の会員資格になります。

オートオークションのイメージは、野菜の競市場に例えると理解しやすいです。

農家がつくった野菜(買取店が買取りした車)を競市場(オートオークション)にもっていき、八百屋さん(中古車販売店)が買い付ける。

そんな感じです。

中古車流通の流れ

流れ

中古車の流通は、おおかたこんな感じです。

あなたが売った車が、どのような流れで次のオーナーのもとへ行くのかを、まずは知っておきましょう。


STEP.1
買取
カーディーラや中古車買取店が、あなたの車を買取します。

STEP.2
買取店が販売
車を綺麗にクリーニングして、自店で展示販売します。ここを飛ばしてSTEP3へ行くパターンもあります。

STEP.3
出品
展示で売れなければオートオークションへ出品します。

STEP.4
落札
落札された場合、出品店は書類を渡して終了。落札店は車を陸送。

STEP.5
落札店が販売
車お綺麗にクリーニングして、展示または注文販売します。

STEP.5
出品
展示で売れなければオートオークションへ出品します。(STEP3へ)

出品された車に評価点をつける

オートオークションに出品される車は、未使用車(新古車)・中古車・改造車・事故現状車などさまざまです。

中古車流通の基点となってますので、中には修復歴車(事故を起こしたが、修理済みで見た目はキレイ)もたくさんあります。

車を買い付ける立場からしたら、買おうとしている車に事故歴があるかどうかわからなかったら困りますよね。

そこで活躍するのが、オークション会場にいる査定員です。

査定員が一台一台チェックし、修復歴はもちろんのこと、キズやヘコミの箇所、鈑金跡、パネル交換歴、フレームのダメージ具合など、実にたくさんの箇所を検査しています。

だから安心して買い付けできるわけですね。

オートオークションの利点は中立であること

中立

ここはかなり大切。

あなたが中古車を買いに、展示場へ行ったとします。

商品ですから当然のこと、きれいにクリーニングされています。

さてあなたの目の前にある中古車、事故歴の有無を判別できますか?

できないですよね。

だって修理したのはプロの鈑金屋さん。

事故したのがバレるような仕事だったら商売になりません。

鈑金のプロが修理した車を見極められるのはプロの査定士のみです。

ではここで質問します。

展示場の店員さんが「この車は事故じゃないから大丈夫だよ」と言われて、あなたはそれを信じることができますか?

目の前には、初対面の店員さん。

店員さんは、車を売るのが仕事です。

ライバルの中古車屋は、周辺に無数あります。

競合が多く売り物に独自の強みがなければ、必ず価格競争になります。

オートオークションでは良い車は高いし、修復歴があるものは安く仕入れられます。

かたちの良い野菜は高いが、規格外の野菜は安いのと同じなんです。

そして車は生ものと同様、早く売らないと価値がどんどん下がっていきます。

さて、もう一度同じ質問をします。

あなたは目の前の店員さんの言葉を、本当に信用できますか?

新車ではなく中古車を買う一番のデメリットが、このグレーな部分になります。

さて、オートオークションは中古車を流通させる基点となっています。

中古車の売り手と買い手を結ぶ役割をしており、仲介手数料をもらって運営が成り立っています。

そしてオートオークションの査定員は、売り手側でも買い手側の人間でもなく、中立な立場で査定をしています。

つまりオートオークションでの流通は、フェアな状態での取引ができる唯一の場所と言ってよいでしょう。

100万円の車に100万円の価値はない

100万円

あなたが今、100万円の中古車を購入したとします。

買った翌日に車を売りに行った場合、いくらの値が付くと思いますか?

買ったばかりだから90万は付く?

いやいや良くて80万くらいじゃない?

な、70万は付けてくれ!

どれもハズレです。

この件に関しては、これまでに述べてきました中古車の流通の仕組みと、さらに中古車屋の利益率を知らないと理解できません。

まず、誰もが口にする「100万円で車を買った」という言葉。

それはあなたが支払った総額の話です。

車の注文書をもう一度みてください。

100万円の内訳は、車両本体価格とその他諸費用の合計となっているはずです。

車両本体価格はいくらになていますか?

これは車屋さんによってマチマチですが、国産車であれば諸費用が10万円~30万円くらいなのが多いと思います。

間をとって諸費用が20万円だとして話を進めます。

車屋さんは80万円でオートオークションから仕入れた訳ではありません。

車屋さんも商売なので、当たり前ですが利益はしっかり取らないと倒産します。

では車屋さんの利益って、1台あたりどのくらいなのか。

1万くらい?

5万くらい?

10万?

具体的な金額は避けますが、想像してください。

車屋さんには、中古車をたくさん並べるための大きな土地という固定費がかかります。

従業員も店長さん、営業さん、整備士さん、事務員さんなど多くの人が働いています。

いつでもきれいな展示車を見せられるよう、維持管理費もかかります。

展示していて売れなければもう一度オートオークションに出品しお金に変えなければならないので、そのリスクも抱えています。

月に30台も50台も車が売れるわけではありません。

小さな店舗であれば5台、大きいところでも10~15台も売れれば良い方でしょう。

そう考えると、なんとなく想像できるかと。

またそれとは別に、オートオークションからの仕入れは経費がかかります。

オークション会場にも多くの人が働いているので、毎回手数料を支払っています。

そしてさらにもう一つ。

車の買取店も、買い取った車はオートオークションへ出品しています。

当然利益は取りますし、出品時もオートオークションへ手数料を支払っています。

つまり中古車は、多くの人が携わり、そして多くの利益や経費がからんで販売されています。

新品のゲームソフトを購入して、翌日に売りに行くのとは、まったく別次元の話であることを理解しておきましょう。

今回のまとめ

まとめ

今回は中古車の流通の仕組みについて解説してみました。

中古車はオートオークションを基点にして流通しています。

そしてオートークションの検査員が一台一台しっかり検査することで、車の評価点がフェアな状態で取引されています。

ただし中古車が次のオーナーさんに届くまでには、多くの経費がかかっています。

つまりあなたが車を売った時の買取金額と、次のオーナーさんが買う時に支払う金額は全然違います。

車を売ろうとしている人の話を聞くと、こんな人をよく見かけます。

「自分が乗っている車と同じ車がネットで100万円で売ってるのを見た。だから自分の車も同じくらいの価格で売れるのかな?」

しかし残念ながらそれは叶わないことだと、あなたはもう理解していると思います。

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