こんにちは、サケノリです。
今回は『修復歴有りの中古車』というテーマでお話していきます。
中古車を購入するにあたって、修復歴(事故歴)の有り無しについては、避けては通れない部分です。
「修復歴車は良くない」という嫌なイメージがありますが、実際に何が良くないのでしょうか?
そのあたりをしっかり深掘りしていきたいと思います。
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最初に、少しだけ自己紹介をさせてください。
このブログの管理者で、サケノリといいます。
現役の営業マンで、実際に車の販売や買取査定を行っています。
車関係の資格は主に、自動車査定士・自動車整備士・保険募集人などを保持しています。
今後も、みなさんに有益となる情報を発信していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
では、さっそく始めましょう。
修復歴車の定義
まず修復歴車の定義について。
修復歴車はその名の通り、事故を経験しています。
経験と言ったのは、現状は鈑金屋さんなどで修理してあるので、見た目はほとんどわからない場合が多いです。
(ちなみに事故した状態の車は、現状事故車と呼び、今回のテーマとは異なります。)
ただし全ての事故車が修復歴となるわけではありません。
事故にも大小があります。
修復歴の定義を簡単に言ってしまえば、こんな感じです。
- フレーム(骨格)部分にダメージがあったり修正された車
フレームは、バンパーやドア(外板パネルと呼びます)などの内側にあります。
つまり、バンパーやドアを修理しただけでは、修復歴車にはなりません。
また修復歴の判定基準に関しては、全国の中古車が流通しているオークション会場によって定められています。
オートオークションについては、別の記事でまとめていますので、興味があれば参照してください。
修復歴車のデメリット3選
修復歴車のデメリットとしては、下記の3つを今回は取り上げます。
- 故障の発生率が高い
- 事故を起こした時の安全性が疑問
- 気分的な問題もある
では、ひとつひとつ見ていきましょう。
故障の発生率が高い
まずこれ。
修復歴車の全てとは言えませんが、故障の発生率は高めです。
なぜでしょうか?
鈑金修理はフレームや外板パネルを直すこと
鈑金屋さんはつぶれてしまったボディを直します。
大規模な工場だと、フレーム修正機という機械で引っ張って直したりもします。
でも鈑金屋さんは、必ずしも整備士ではありません。
もちろんメカニカル部分の修理もします。
例えばラジエターコアがつぶれたら部品を交換、足回りが壊れていたら取り換え・・・など。
でも車は全部で約4000種類、2~3万個の部品で構成されています。
当然ですが全てをチェックすることはできません。
コンピューター診断なども、すべての工場ができるわけではないので、やはりどうしてもグレーな箇所があったりするわけです。
特にエンジンが積んであるところの修復である場合、故障リスクはかなり高いと想定しておいた方がよいでしょう。
事故を起こした時の安全性が疑問
こちらはかなり大事です。
車は、新車の状態と修復歴が有る状態では、安全性が同じではありません。
車の部品素材としては、バンパーは樹脂、ドアなどは鉄やアルミなど、車によってさまざまです。
しかしフレームはほとんどが鉄です。
鉄は粘り気があるので、一度曲がっても戻せます。
しかし強度は落ちます。
そしてフレームの修理は、主に以下のような感じになります。
- 軽度の場合は無修正
- 鈑金修正
- 再溶接して部分交換
つまりいずれのパターンでも、100パーセントの修理は不可能ということになります。
車の外板パネルやフレームは、全て衝突を想定したつくりになっている
ボンネットって、まっすぐな鉄板では決してないはずです。
裏面を見てみると、いろいろな穴があったり、曲線を描いた形状になっていたりします。
フレーム部分も同様で、いろいろなところに窪みや穴があったります。
これらはデザインではありません。(そもそも目に見えない内側ですので)
ちょっと想像してみてください。
もしボンネットが、一枚のまっすぐな鉄板だったら。
その車が正面衝突したらどうなるでしょうか?
・・・恐らくボンネットは、まっすぐフロントガラスを突き破りドライバーを襲うでしょう。
でもそんな事故って、見たことないですよね?
だいたいは、ボンネットが真ん中あたりで曲がってたりしています。(この記事のトップ画像のように。)
あれはボンネットにわざと弱い部分をつくることで、そこが曲がってくれているんです。
つまりメーカーの計算通りというわけ。
よく車のCMで、衝突実験の映像を目にしますよね。
あのような実験を繰り返すことで、メーカーは人に安全な車をつくっています。
車がぶつかった時に、うまく車がつぶれてくれてショックをやわらげてくれる。
そして中の人の安全性を第一に考えて作られた車。
それが各自動車メーカーがつくっている車です。
さて、そのように綿密に計算しつくされてつくられている車ですが、後から修正しても安全性がきちんと確保されるでしょうか?
修復歴車は、2度目の事故が怖いんです。
気分的な問題もある
こっちを気にする人も多いかもしれません。
事故車っていうイメージは、なんだか気味が悪い感じがしてしまいます。
誰かお亡くなりになっていたりして、深夜に山奥のトンネルでルームミラーを見たら・・・。
キャ~~~~~~っ!!
すいません。
でも気持ちの問題は大切です。
中古車といえど、末永くお付き合いする車なはずです。
このあたりが気になる方は、新車か修復歴無しの中古車を買いましょう。
修復歴車のメリットは?
修復歴車にもメリットはあります。
それが『価格』です。
オートオークションでは、修復歴車はかなり安く流通します。
なので、中古車屋さんに並ぶときも、修復歴無しと比較すると安くなります。
価格か安全か、どちらを取るかはあなた次第になります。
が、サケノリは修復歴車はあまりオススメしません。
価格以上にリスクが高いと、個人的には思っています。
まとめ
今回は『修復歴有りの中古車』というテーマでお話してきました。
振り返りますと、中古車には3つのデメリットがあります。
- 故障の発生率が高い
- 事故を起こした時の安全性が疑問
- 気分的な問題もある
そしてメリットとしては、価格の安さです。
比較してどちらが良い悪いとは言えません。
しかしサケノリであえば、リスクの大きさを考えて修復歴車は避けるでしょうか。
しかし選択されるのはあなたです。
ひとつの参考としていただければ、と思っています。
今回は以上です。