車屋さんに時々かかってくる電話。
客:「車検が切れちゃったんだけど、これから持って行くから車検すぐできる?」
これって問題発言ですよね。
車検が切れた状態で公道を走らせると違法行為になるからです。
さらに様々なリスクも同時に抱えることとなり、絶対にやってはいけません。
その辺り意外とわかっていないのか、それとも近くだから大丈夫だろうと軽く考えているのか・・・。
ワード検索でこの記事にたどり着いた方、最後まで読んで正しい知識をしっかり身につけてください。
車検切れがばれるパターン
車検切れがばれるパターンはいくつかあります。
ちなみにばれただけでは法律違反にはなりません。(展示車や自宅に放置してる、など)
しかし公道を走らせた段階で、違反点数や罰金が科せられます。
また事故を起こした場合は、重い責任を負うことになります。
だから車検切れに気づいたら、これから説明する正しい方法で車検を受けてください。
車検は、車の安全性や環境性能を保つために必要なものです。
車検をきちんと受けることで、自分や他人の安全を守ることができます。
車検ステッカーでばれる
車のフロントガラスには、上記のような車検ステッカーの貼り付けが義務付けられています。
左が普通車で車検満了が令和3年9月、右が軽自動車で車検満了は平成33年2月となってます。
(※車検ステッカーのデザインや大きさは、将来的に変更される場合もあります。)
現在の車検ステッカーはコンパクトかつシンプルなので、パッと見で分かりにくいのが正直なところ。
そのため感覚的には「車検切れでもばれないだろう」と思いがちになります。
しかし、見る人によっては確実にわかります。
筆者は自動車関係の元営業マンですが、商売がら車検ステッカーを確認するクセがついています。
普通の人が車検ステッカーを見るのと、専門的な人が確認するのは、目的が全く異なります。
そのため絶対に、車検切れのまま公道を走行してはいけません。
ナンバープレートが読み取られてばれる
引用:国交省、車検切れ車両の取り締まり強化でナンバー自動読取装置を2018年度導入 CarWatch
ナンバー自動読取装置に出会ってしまうと、確実に車検切れがばれます。
カメラが走行中のナンバーを読み取って、瞬時に自動車登録検査業務電子情報処理システムというデーターベースと照合、一瞬でばれて警察官が待ち伏せしてます。
取り締まりや事情聴取でばれる
- スピードやシートベルトなどの取り締まり
- 何らかの事情聴取
ほぼ確実に車検証の提示を求められ、車検切れがばれます。
事故を起こすことばれる
事故を起こして警察が来れば車検切れがばれます。
車検切れで事故を起こすと、罪や賠償問題でかなり不利になります。
保険が下りない、正規保証されない、など最悪事態も想定されます。
もちろん事故して逃げたら余計に罪は重くなります。
持ち込んだ車屋さんでばれる
たまに見かけます。
オイル交換しに行ったら「車検切れてますよ」と言われる人。
まあこのケースであれば、そのまま車検を依頼してしまえば難なく済みそうですが・・・。
車屋さんに行くまでのリスクが高いので、故意に持ち込むのは絶対にやめましょう。
車検切れの罰則
車検には自賠責保険が必ずセットになりますが、切れる時期が若干異なります。
自賠責保険は車検より先に切れてはいけませんので、最低でも1日以上長く設定されています。
つまり車検のみ切れている状況と、自賠責も含めた両方が切れている場合に分かれます。
また補足として、車検が不要な車両も合わせて掲載しておきます。
車検のみ切れていた場合
- 行政処分:違反点数6点と30日間の免停
- 刑事処分:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
車検切れで、自賠責保険はまだ有効な場合です。
どのくらい自賠責保険が残っているかは、車両登録日や継続検査のタイミング、自賠責保険発行時期により異なります。
自賠責保険が残っていれば、仮ナンバー取得後であれば公道を走らせることは可能です。
車検と自賠責保険の両方が切れていた場合
- 行政処分:違反点数12点と90日間の免停
- 刑事処分:1年6ヶ月の懲役または80万円以下の罰金
車検だけでなく自賠責保険も切れているケースです。
罰則はかなり重くなります。
この状態で事故を起こしてしまうと、最も最悪な事態になります。
自賠責保険だけ切れていた場合
- 行政処分:違反点数6点と30日間の免停
- 刑事処分:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
車検対象外のバイクなどが該当します。
車検対象車で自賠責保険のみ切れているケースは、基本ありません。(万一、自賠責保険の満期が車検より短い場合は、事務手続き上の問題と思われるので、至急車屋さんへ問い合わせしましょう。)
車検切れのリスク
車検切れのリスクとして、事故と安全性の2つについて考えていきます。
車検切れの事故
自賠責保険は加入が義務付けられており、強制保険などとも呼ばれています。
自賠責保険なしでは車の登録ができませんし、車検を通すこともできません。
つまり車を持っている人は、必ず自賠責保険に加入しています。
その自賠責保険は車検時に継続加入しますので、車検切れを起こすと自賠責保険も切れている可能性が高くなります。
もし車検と自賠責が切れている状態で交通事故を起こすと、かなりマズイ状況となります。
なぜなら自賠責保険の補償範囲は、任意保険ではカバーできないからです。
そもそも任意保険とは、自賠責保険でカバーできない部分を補償するための保険です。
つまり、自賠責保険切れで事故を起こしてしまった場合、その補償範囲は個人の実費になってしまいます。
- 死亡:3,000万円
- 障害:120万円
- 後遺障害:最高4,000万円
※自賠責保険は対人補償のみで、対物(相手の車など)やご自身に対しては補償がありません。
車検切れ事故の場合、任意保険が支払われないケースもありますが、保険会社によって対応が異なります。
無車検事故が補償の範囲内かどうかは、ご自身が契約している保険会社で確認しましょう。
車の安全性
まず車の安全性について考えていきます。
車検切れということは、点検・整備をしていない車、とも言えます。
では、それがどのような問題に発展してしまうのでしょうか?
少し例を挙げてみます。
点検・整備不良例 | 想定されるリスク | |
ブレーキランプ切れ | → | 後ろから衝突される |
ブレーキの整備不良 | → | 急にブレーキが効かなくなる |
エンジンオイル漏れ | → | オイル不足で、突然エンジンが焼き付く |
タイヤの摩耗 | → | 雨の日に車が止まれず追突、または高速走行中にバースト |
バッテリーの消耗 | → | 旅先で突然エンジンがかからなくなる |
さて、どうでしょうか?
これらはトラブルのほんの一部ですが、状況によっては大事故に直結してしまいます。
車検の制度があるからこそ、車の安全性が維持されている、とも言えますよね。
つまり車検切れの車は大変危険な状態であると、しっかり認識しておきましょう。
車検切れの対処法
ここでは車検切れが発覚しまった場合の対処法を説明していきます。
間違っても、慌てて車屋さんに駆け込むことはしないでください。
車屋さんに相談する
まずは車検切れが発覚した時点で、すぐに近くの車屋さんへ相談しましょう。
運が良ければ、車屋さんが積載車で引き取りに来てくれるかもしれません。
ただし一番楽で安全な手段ではありますが、引取り料が発生する可能性はあります。
それでもリスクや手間を考えれば、まず頼りたい選択肢でしょう。
仮ナンバーを準備する
近くの車屋さんで引き取りをやってなかった場合、仮ナンバーの準備をしましょう。
仮ナンバー(自動車臨時運行許可番号標)は、市役所や市民センターなどに行けば誰でも借りることができます。
ただし、事前に準備が必要な書類があります。
仮ナンバー申請の必要書類
- 車検証(コピー可)
- 有効な自賠責保険(原本)
- 自動車臨時運行許可申請書(※)
- 免許証など申請者の身分を確認できるもの
- 手数料(750円程度)
※自動車臨時運行許可申請書は申請する窓口でもらえます。
注意点は、有効な自賠責保険の原本が必要となります。
自賠責保険がまだ有効期間内であれば、それをそのまま窓口へ持っていけば問題ありません。
しかし自賠責保険も切れている場合、新しい自賠責保険を先に用意しなければなりません。
自賠責保険は、車屋さんや保険代理店などで発行してもらえますが、そこへ行くまでは車が使えません。
車検切れは結構大変ですが、そこは仕方ありません。
仮ナンバーが借りれたら、早めに車屋さんへ持って行きましょう。
仮ナンバーには有効期間があり、1日~最大でも5日間です。(ただし自賠責保険の有効期間を超えることはできません。)
売却または廃車にする
もし車はもう使わないのであれば、売却または廃車にしましょう。
自動車税や駐車場代などの無駄なコストを削減できます。
出張査定や車の引き取りをしてくれるところも多いです。
不要な車は早く売却すべき理由
- 車を所有しているだけで、毎年自動車税が課税される。
- 古くなればその分価値が下がる。
- バッテリー上がり、ブレーキの固着など、走行に支障が出る。
- 無駄に駐車場代がかかる。
- 車検切れに気づかずに乗ってしまったら大変。
引き取りしてくれる業者は、下のボタンからも申し込みできます。
車検切れを起こさないために
人がいるガソリンスタンドで給油する
ガソリンスタンドに行くと、「そろそろ車検ですね~、当店でいかがですか?」と言われることがよくあります。
ガソリンスタンドも商売ですので、車検のセールスに必死です。
営業されるのが嫌な方もいらっしゃると思いますが、逆に『車検が切れないように教えてくれている』と考えることもできます。
セールスを親切心と捉えることができれば、店員さんと仲良くなれるかもしれませんし、その場合はそこで車検をお願いしてしまっても良いでしょう。
ただ最近は人のいないセルフスタンドも多いので、できればいつも人がいるガソリンスタンドを利用すると良いでしょう。
車関係の郵便物はしっかり確認する
車検のダイレクトメールが毎回来る方も多いと思います。
車検DMは車屋さんが集客目的で行っているものではありますが、車検満了が近いことを教えてくれる唯一のメッセージでもあります。
国や陸運局は「車検ですよ~」なんて通知はしてくれませんからね。
郵便ポストにはたくさんのチラシやDMが入ってきます。
きちんと目を通さずにゴミ箱行き、なんてことも多いですよね。
でも車関係のものは、きちんと目を通すようにすると良いでしょう。
車検を早めに予約しておく
最近は車検の早期予約が目に付くようになってきました。
理由は、車屋さんが車検客を囲い込んでおきたいからです。
でもどうせなら、そこをお得に利用してしまいましょう。
予約さえしておけば、車検満期が近づいたときに連絡がもらえます。
車屋さんなら商売ですし、しっかり車検の満期管理はしてくれます。
また早期に予約することで、お得な割引があるかもしれません。
車検の管理は、お得に賢くしておきましょう。
カーリースや車のサブスクを利用する
これから車を買おうと思っている人であれば、いま流行りのカーリースや車のサブスクを利用する方法もあります。
車を買ってしまうと、車検の管理は自分でしなければなりません。
また車検だけでなく、法定点検やオイル交換などのメンテナンスなども自己管理です。
でも中には単純に忘れてしまう人もいれば、お金の工面で車検を切らせてしまう人もいるでしょう。
そのどちらも解消してくれるのがカーリースや車のサブスクです。
車両代や車検代、メンテナンス代、税金などがコミコミの月々定額払いになるので、お金の管理が楽になります。
車検が来るとリース会社がきちんと知らせてくれるので、忘れることはなくなります。
カーリースに関しては、下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
車検切れは法律違反です。
車検切れの車を運転すると、違反点数や罰金が科せられます。
また、事故を起こした場合は、重い責任を負うことになります。
車検切れに気づいたら、正しい方法ですぐに車検を受けてください。
車検をきちんと受けることで、自分や他人の安全を守ることができます。
もし車が不要であれば、売却か廃車にしましょう。
車の経費が削減できるだけでなく、思わぬ買取価格になるかもしれません。
また、これから車を購入予定の方へ。
車検切れやメンテナンス忘れを防いでくれるカーリースが人気です。
車に乗ることに集中したい方は、検討してみてはいかがでしょうか。