車検で必要なのは、火が出る方の発炎筒です。
煙モクモクの発煙筒ではありません。
発炎筒の使用期限は4年ですが、使用期限が切れていても車検は通ります。(2020年5月17日現在)
しかしながら発炎筒は、車検を通すことが目的ではなく、緊急時に後続車に対して障害物や危険を知らせるためのもので、とても重要なものです。
使用期限が切れている発炎筒は、火薬がしけっている等で使用できない場合もあります。
いざというときに困らないよう、発炎筒について正しい理解をしておきましょう。
そもそも発炎筒ってどんなもの?
発炎筒は正式名称を『自動車用緊急保安炎筒』といい、その名の通り使用すると赤い炎があがります。
ちなみに発煙筒は炎ではなく煙を発生させ、遭難などの時に、のろしの役割をします。
発炎筒はあまり煙が出ないので、トンネル内でも使用できます。
日本工業規格 (JIS)によって規格化されており、「燃焼時間5分以上・赤色炎・160カンデラ以上の光度」が必要スペックとなっています。
車検は発炎筒がなくても通るか?
道路運送車両の保安基準には、以下のように記載されています。
(非常信号用具)
第43条の2
自動車には、非常時に灯光を発することにより他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないものとして、灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し告示で定める基準に適合する非常信号用具を備えなければならない。
ただし、二輪自動車、側車付二輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車及び被牽引自動車にあつては、この 限りでない。
引用:道路運送車両の保安基準【2003.09.26】第43条の2(非常信号用具)より
(非常信号用具)
第220条
非常信号用具の灯光の色、明るさ、備付け場所等に関し、保安基準第 43 条の2第1項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 夜間200mの距離から確認できる赤色の灯光を発するものであること。
二 自発光式のものであること。
三 使用に便利な場所に備えられたものであること。
四 振動、衝撃等により、損傷を生じ、又は作動するものでないこと。
2 次の各号に掲げるものは、前項の基準に適合しないものとする。
一 赤色灯火の発光部のレンズの直径が35mm未満の赤色合図灯
二 豆電球2.5V・0.3Aの規格又はこれと同程度以上の規格の性能を有しない電球を使用した赤色合図灯
三 JIS C8501「マンガン電池」のR14P(いわゆるマンガン単二形乾電池)の規格若しくはJIS C8511「アルカリ一次電池」のLR6(いわゆるアルカリ・マンガン単三電池)の規格又はこれらと同程度以上の規格の性能を有しない電池を使用した赤色合図灯
四 灯器が損傷し、若しくはレンズ面が著しく汚損し、又は電池が消耗したことにより性能の著しく低下した赤色合図灯
五 JIS D5711「自動車用緊急保安炎筒」の規格又はこれと同程度以上の規格の性能を 有しない発炎筒
六 損傷し、又は湿気を吸収したため、性能の著しく低下した発炎筒
引用:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】〈第三節〉第 220条(非常信号用具)より
つまり一般的に利用されている自家用車であれば、非常信号用具の装備が義務付けられており、無ければ車検は通りません。
非常信号用具として、JIS規格の発炎筒がもっとも多く利用されています。
車検は発炎筒の期限が切れていても通るか?
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.09.26】〈第三節〉第 220条(非常信号用具)では、『六 損傷し、又は湿気を吸収したため、性能の著しく低下した発炎筒』と記載されていますが、使用期限については明記されていません。
実際に私も車検場で検査を受けたことは何度もありますが、使用期限までチェックされたことは一度もありません。
つまり発炎筒の使用期限が切れていても、車検は通ります。
ただし基準は変わったりもするので、一応グレーと捉えておいたほうが良いかもしれません。
発炎筒の期限切れを指摘された場合
車検を依頼した車屋さんによっては、発炎筒の期限切れを理由に、交換を勧められる場合もあります。
実際に『発炎筒の使用期限切れ→性能の著しく低下した発炎筒→保安基準を満たしていない』と考える車屋さんも多くあります。
厳密に言ってしまえば、検査員ではない車屋さんが判断することではないのですが、そこで車検を依頼するのであれば素直に交換してもらうのが良いでしょう。
逆に発炎筒の有効期限なんか、いちいちチェックしない車屋さんもたくさんあります。
誰かに指摘されない限り、自分で有効期限のチェックなんて普通しないですよね。
なかには10年以上前の発炎筒が出てくることもよくあります。
緊急時に使えなかったら困りますから、期限が切れていることがわかった時点で、新しいものに取りかえるのが良いでしょう。
発炎筒の正しい使用方法
使用方法は発炎筒に記載されています。
中の透明なキャップで、マッチのようにこすり合わせれば点火します。
使い捨てなので、1回使用したら終わりです。
発炎筒の処分方法
未使用の発煙筒は、可燃ごみや不燃ごみで出すことができません。
使用して可燃ごみとして出すか、車屋さんなどで引き取ってもらいましょう。
発炎筒は使用期限がないLEDタイプが便利
最近はLEDタイプの非常信号灯もあります。
保安基準適合品であれば車検は通りますし、使用期限が気にならなくなるので安心かつ便利です。
LEDタイプ非常信号灯のメリットとデメリット
最近はLEDタイプに買い替える人が増えてきました。
そこでメリットとデメリットを比較していきます。
メリット
- 使用期限がない。
- 使い捨てではないので、何度でも使用できる。
- 炎が出ないので安全。
デメリット
- 定期的な電池交換が必要。
- 故障に気づきにくい。
- 発炎筒と比べると、昼間は見えにくい。
最近はLEDタイプもかなり安くなってきました。
発炎筒のようにしけってしまうこともなく、何度も使用できるのが人気のようです。
発炎筒の購入方法と価格
LEDの非常信号灯は、カーショップなどの量販店で売っています。
価格はだいたい1,000円前後くらいでしょうか。
発炎筒を買うのとあまり変わらないです。
アマゾンや楽天だとかなり安く売ってたので、興味のある人はどうぞ。
LED非常信号灯【発炎筒代替品】車検OK KS-100E1 価格:638円 |