『月々1万円で新車に乗れる』
こんな広告を見かけたことはありませんか?
新聞の折り込みチラシやインターネットのwebページ、リース取扱店で見かけるのぼりやスクリーンシート。
けっこういろいろなところで見かけます。
あれって本当に月々1万円で乗れるんでしょうか?
カーリースの月々1万円について解説します。
リース料金の月額料金をイメージする
まずは新車をリース契約した場合のザックリした月額料金をイメージしていきます。
(例)200万円の軽自動車を5年間リース契約し、残価は50万円と仮定。
(計算をしやすくするために、200万円のなかには車両代の他に登録時の法定費用や登録手数料、5年分の自動車税も含まれているとし、金利の計算は省きます)
2,000,000÷60回(5年)=33,333円/月
単純に割り算すると月々33,333円です。
オートローンで購入する場合がこれに該当します。
カーリースの場合は5年後の残価を車両代から差し引きます。
(残価に関する説明はコチラの記事で解説しています。)
(2,000,000-500,000)÷60回(5年)=25,000円/月
200万円の軽自動車だと月々25,000円のリース料となります。
1万円にはほど遠い金額ですよね。
どうやったら1万円になるのでしょうか?
月額料金を安くする3つの方法
実は月額料金を安くする方法があり、それは以下の通りです。
(1)頭金やボーナス払いを設定する
(2)リース期間を長く設定する
(3)残価設定を高くする
(1)頭金やボーナス払いを設定するについて
頭金やボーナス払いを入れて計算するとこうなります。
頭金20万円とボーナス払い2万円×10回
2,000,000(車両代)-500,000(設定残価)-200,000(頭金)-200,000(ボーナス10回分)÷60回(5年)=18,333円/月
頭金とボーナス払いを両方入れたらなんとか月々1万円台にはなりました。
実は広告に載っている月額料金には、ほとんどの場合頭金やボーナス払いが設定されています。
広告の隅に小さい文字で書かれていると思いますので確認してみてください。
でもこれだとまだまだ月々1万円にはなりません。
(2)リース期間を長く設定するについて
リース期間を長くすれば分割回数が増えるので、その分月々の支払いは安く抑えられます。
ただし設定残価が低くなりますので、期間だけ長くしても1万円にはなりません。
頭金やボーナス払いとの併用が必要だと思われます。
ちなみに実際は支払期間の伸ばせばその分金利も余分に払うことになります。
(3)残価設定を高くするについて
ここが一般には知られることのないカラクリ部分となります。
(まだ残価やオープンエンド/クローズドエンド契約に関する記事を読んでいない人は、コチラを先に読んでおくと以降が理解しやすいです。)
200万円の車両に対し、残価を半分の100万円に引き上げ、さらに頭金20万円とボーナス払い2万円×10回を設定します。
2,000,000(車両代)-1,000,000(設定残価)-200,000(頭金)-200,000(ボーナス10回分)÷60回(5年)=10,000円/月
これで月々1万円のリースプランの出来上がりです。
残価設定のカラクリ
さて、月々1万円のリースプランはできましたが、残価設定を2倍に変更しています。
これって大丈夫なんでしょうか?
リースの仕組みを順に考えてみます。
1.まずリース会社がメーカーから車を仕入れる。(リース会社が車を購入しているので、車検証上の所有者はリース会社となります)
2.リースの契約年数に応じた残価を設定し契約者に使用してもらう。
3.リース契約満了時、契約者が車を買取りまたは再リースしない場合は、リース会社が車を引き取る。
4.引き取った車は中古車オークションに出して残価分を回収する。
そもそも残価ってどうやって計算するんでしたっけ?
残価は、リース契約満了時の車の価値を想定して設定します。
200万円の車の5年後の価値を、最初は50万円と想定していたはずなのに2倍の100万円にしてしまったら50万円の損失ですよね?
でもリース会社は絶対にそんな損失は避けようとします。
はい、実はこの契約はオープンエンド契約の可能性が高いです。
オープンエンド契約は、市場の残価変動リスクを契約者が負います。
つまりリース契約満了後、回収できない分の残価50万円は契約者が負担するかたちになってしまいます。
これって、めちゃくちゃ要注意です!!
甘い話には裏があるとはこのことですね。
まとめ
軽自動車でも月々のリース料金は2~3万円くらいが相場と思われます。
月額1万円とうたっている場合は、頭金やボーナス払い、リース期間、オープンエンドorクローズドエンド契約のどちらなのかをしっかり確認しましょう。