後だしジャンケンって何?|車の買取査定の実態を解説

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後だしジャンケン

こんにちは、サケノリです。

今回は、車の査定における『後だしジャンケン』について解説していきます。

この記事は、これから車を売ろうとしている人の中で、1円でも高く売りたいと思っている人向けとなっています。

いくらでもいいから処分さえしてくれればいい、と思っている方には読む価値はありません。

また今回の記事を読むことで、不快な気分になる方もいるかもしれません。

その場合は、すぐにブラウザを閉じてください。

興味のある方だけ、先にお進みください。

※本記事はサケノリの主観で作成しています。事実と異なる場合もありますので、予めご容赦ください。

まず最初に、自己紹介に少しだけ時間をください。(すでにご存じの方は飛ばしてくださいね)

このブログ(Various Colors)の管理者で、サケノリと申します。

現役の営業マンで、車関係の仕事をしています。

新車や中古車を販売したり、下取りの車を査定したりしています。

資格として、自動車査定士、自動車整備士、保険募集人を所持しています。

つまり私は車を査定し、買取する側の人間です。

そして買取する側の事情を熟知している者として、車を売ろうとしている人にとって有益な情報を発信します。

もくじ

前提

  • 車を売る人は、1円でも高く売りたい。
  • 車を買う業者は、1円でも安く買いたい。

これが全ての前提です。

商売の基本はどの業界でも、『安く仕入れて高く売る』ですよね。

よくある『どこよりも高く買います』は集客上のセールストークであり、どこの買取業者も『いかに安く買えるか』しか頭にありません。

言われてみれば当たり前の事実ですが、時として車を売ろうとしている人は錯覚に陥ります。

目の前の営業マンは、長年の経験を積んだ言葉巧みなトークを使い、あなたを錯覚させます。

あなた自身が武装しておかないと、経験値の高い営業マンには決して勝てません。

だから私は、営業マンの立場でこの記事を作成しています。

後だしジャンケンとは?

ジャンケンに勝つ

ジャンケンって、後だしすれば基本勝ちますよね。

車の買取業界は、これと同じことが言えます。

わかりやすく例を出しますね。

あなたが車の査定をしに、A社に行ったとします。

A社では50万円の値段が付いたとして、あなたは即決で車を売れますか?

もし即決できた場合は、営業マンが良い仕事をしたと言えるでしょう。

なぜなら、その営業マンは50万円という提示した金額を、あなたに高いと思わせることに成功したからです。

あなたは商談に満足したから、車を売ったわけです。

でもその50万円って、本当に高いんでしょうか?

もしもあなたがそう疑問を持った場合、どうしますか?

査定する時点であなたは車の買取相場を知らないことになりますので、つまり他社と比較するしかないんです。

比較のため、今度はB社に行きます。

B社の仕事は2つです。

  • 既に査定しているA社の提示価格のヒアリング。
  • あなたがいくらなら売るのか?を聞き出し、あとはその価格でB社が買えるかの確認。

もしあなたが「あと10万円欲しい」と言ったのなら、B社が60万円で買って利益がどのくらいでるのか?を調べるわけですね。

あとはB社が60万円で買う場合もあえれば、55万円に減額交渉をする場合もあります。

いずれにせよA社が提示済みの50万円以下であれば即破談ですから、B社は最低でも同額以上の価格提示となり、つまり後だしジャンケンとなるわけです。

あなたがB社でも売らずにC社へ行った場合、今度はC社が後だしジャンケンの権利を得る、という具合になっていきます。

車買取の仕組み

オークション会場

ちょっと話を変えますが、買取業者って買取した車をどうするか知っていますか?

だいたいこんな感じになります。

  1. 自社で販売する。
  2. 車のオークションへ出品する。
  3. レンタカーや代車で使用する。
  4. 部品取りや輸出業者へ転売する。

基本は1か2です。

3のレンタカーや代車は、一部の会社でありますが、今回のテーマとは主旨がずれるので省略します。

4は査定金額がほとんどつかない場合なので、こちらも今回は説明を省きます。

まず自社販売ですが、これは店頭展示やネットに掲載して販売する手法です。

売れれば最も利益が取れますが、実はそんなに売れません。

30台並べたら、良くて月に2~3台売れる感じです。

そんなに甘くないっすね。(泣)

自社販売のデメリットは、価値の下落です。

一部を除き、年式が古くなれば安くなってきます。

自社販売は、確実に値が下がり続ける資産を所有していることになるので、できるだけ早めにお金に換えたいわけです。

確実にお金に換えるために、車のオークションへ出品が登場します。

車のオークション相場が中古車の価値

車のオークション会場は全国に何十か所もあり、主に業者間の取引で利用されています。

ネットオークションではなく、魚や野菜の競市場に近いイメージです。

海外バイヤーも多く、国内外の中古車流通の基点となってます。

先にも述べましたが、買取した車は少しでも早くお金に換える必要があります。

なのでどこの買取業者も自社販売はラッキー、本命はオークションへ転売、となるわけです。

つまり『オークションに出したときにいくらで売れるのか?』が買取価格の非常に重要なポイントとなります。

先のB社の例でいうと、A社で50万円の提示、あなたは60万円を希望していた場合、60万円で買取してもオークションで利益が出れば買う、ということになります。

ちなみにオークションは無料ではありませんので、かかる経費や流札リスク(出品しても売れなかったリスク)もふまえて買取金額を出す必要があります。

全国のオークション会場は、日々何十万台もの取引をしています。

それら過去の取引履歴をオークション相場と呼びます。

仮にオークション相場が70万円だったとすると、B社は10万円の利益。(説明上オークション経費や税金等は無視します。)

オークション相場が100万円であれば、B社は30万円の利益。

最初に提示したA社の査定金額が高かったのか、それとも安かったのか、それはあなたには決してわからない仕組みとなっています。

査定金額と買取金額の違い

ここまでの説明で察しの良い方はわかったかもしれませんが、査定金額と買取金額は全くの別物です。

本来査定とは、車のグレードや装備、キズやヘコミの状態、事故の有無などを調べて車を評価することです。(オークションでは評価点といって、出品車それぞれ点数がつけられます。)

そしてその車をオークション会場へ出品した場合に、いくらで落札されるのかを予測したものが査定金額となります。

当然ですが、査定金額はあなたへ支払う金額ではありません。(赤字になっちゃいます。)

買取金額とは、査定金額を参考にしながら、目の前のあなたからどれだけの利益が取れるか?を計算して差し引いたものである、と言っても過言ではないでしょう。

あなたと営業マンのギャップ

ギャップ

あなたが車の査定に行く目的は、この車がいくらで売れるのか?を、つまり買取金額を知ることだと思います。

あなたは査定が済めば、買取金額がすぐに提示されると思っているはずです。

でも、その考えは間違いである場合がほとんどです。

優秀な営業マンは自分から買取金額を言わずに、あなたから売りたい希望金額を言わせます。

なぜでしょうか?

買取査定を一度でも経験した人でしたら思い返してみてください。

査定後、すぐにお金の話にならず、営業マンから下記のようなことをいろいろと聞かれたはずです。

  • なぜ売るのか?
  • いつ売るのか?
  • 希望金額はいくらか?
  • 誰かに相談する必要はあるか?
  • いまここで決められるか?

実は全部の質問に意味があります。

一つ一つみていきましょう。

なぜ売るのか?

動機の確認です。

乗換えなのか?売るだけなのか?

売るだけといっても、車を降りる、引っ越しや転勤で使わなくなった、お金が必要になった、代理で来た・・・など様々です。

動機から、あなたが必要としている買取金額の目安、決定権者の確認、契約までのネックなどを確認します。

乗換えであれば、当然新しい車のセールスもします。

いつ売るのか?

実際に手放す時期を確認します。

買取商談の原則は、即決・即入庫です。

半年先を予定していても、今売ることがどれだけお得か、半年先だとこれだけ値下がりするなど、今じゃなきゃダメな理屈を聞かされます。

なぜか?

いま決めてもらわないと、後だしジャンケンで負けるからです。

希望金額はいくらか?

あなたからしたら、査定に行ってるのに希望金額を先に聞かれるのっておかしいと思いませんか?

でも買取業界では常識であり、最重要ポイントなんです。

もしあなたが言った希望金額が、オークション相場に近かったらどうでしょう?

本来あなたはオークション相場を知るはずもないので、この場合は既に他社で査定している証拠。

先ほどの例で言えば、A社で50万出てて、あなたの希望が60万みたいな感じですね。

この時点で後だしジャンケン確定です。

では逆に希望金額がオークション相場よりだいぶ低かったら?

この場合は初めての査定である可能性が高いと思われ、希望に近い金額(つまり安い金額)で商談がスタートしてしまいます。

もちろんあなたが嘘を言っていることも考慮して、営業マンは腹の中を探りにきます。

そして最後に、オークション相場よりかなり高い場合は?

実は査定が初めての人の場合、このパターンがもっとも多くなります。

知らないと理想が高くなるわけですね。

この場合は希望金額を下げる営業トークが始まりますので、聞いてるあなたとしては辛い時間となります。

誰かに相談する必要はあるか?

これは決定権者の確認です。

旦那や奥さん、両親だったりと、つまり契約を決められる人のこと。

原則として、営業マンは決定権者にしか買取金額を言いません。

決定権者と商談し、買取契約の即決を求めるのがセオリーとなります。

いまここで決められるか?

このセリフを言われた場合、すでにあなたは希望金額を伝えており、買取金額の交渉をしている段階だと思われます。

査定に行ったのに金額は教えられておらず、なぜかあなたの希望金額を出すor出さないの話になってたりします。

実はこのパターンが、営業マンの王道パターンなんです。

あとは『どこに行ってもあなたの希望金額は出ないが、今決めてくれれば出す』みたいな必殺技を使われます。

あなたは買取金額を聞きたい。

営業マンは、あなたの希望金額を聞きたい。

これはつまり、

『あなたは車を高く売りたい』

『営業マンは車を安く買いたい』

の構造になっています。

これがあなたと営業マンのギャップです。

どうしたら車を高く売れるのか?

悩み

では、どうやったら車を高く売れるのか?

私のおすすめとしては、一括査定がもっとも有効と考えています。

これに関しては個別の記事でまとめています。

2通りのやり方があるので、あなたに合う方法でチャレンジしてみてはどうでしょうか?

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今回のまとめ

まとめ

かなりの長文になりましたが、参考になりましたでしょうか?

この記事は、営業マンの経験を持つ私が、お客様として車を売りに行く場合に、どうすれば1円でも高く売れるか?を考えたものです。

決して私のやり方が正解とは言いませんが、少しでも参考になった部分があれば幸いです。

あなたの車が、1円でも高く売れることを願って。

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