こんにちは、サケノリです。
今回ですが、『車の営業マンかつ査定士の私が、自分の車を売るとしたら?』というテーマでお話します。
私は現役の営業マンで、車の販売やカーリース・買取査定・保険提案などの仕事をしています。
持っている主な資格は、自動車査定士・自動車整備士・保険募集人です。
この記事は、そんなプロの私が『もし自分の車を売るとしたらどうするか?どうすれば最も高く売ることができるか?』をまとめたものです。
これから車を売ろうと考えている方は、ご自身の環境に置き換えていただき、あなたにとって最良の売却方法が発見できれば幸いと思っています。
一部専門的な内容もありますが、予備知識として持っていた方が良いものもたくさんあります。
もちろん『オートオークションへ自分で出品する』みたいな、買取業者サイドじゃないとできないような内容は含まれておりません。
この記事の目的は、今まであまり表に出てこなかった買取業界のグレーな部分を、みなさんと共有し理解していただいた上で、買取査定に挑んでいただくことです。
買取業者サイドとしては、まったくをもって迷惑な記事だとは思いますが、車を売りに行く人が『知らない』状態での買取商談はアンフェアだと、私は考えています。
当記事の趣旨をご理解いただいた上で、興味のある方は読み進めてください。
前置きが長くなりましたが、それではさっそく始めていきましょう。
中古車流通の仕組み
まず最初に、中古車がどのように流通しているのかを確認していきます。
そして買取査定の金額って、何が基準で算出されているのか、を知っておきましょう。
あなたが売却した車は、いったいどこへ行くのか?
あたりまえですが、飾っておくわけではありません。
売ってお金に変えてます。
では、どうやって売ってるのか?
- 中古車展示場で現車販売する。
- オートオークションへ出品する。
どこの中古車買取店も、展示場のような場所で自社販売したいとは考えています。
なぜなら最小限の経費で、最大限の利益が見込めるからです。
でもぶっちゃけた話、『売れたらラッキー』くらいの感じなんです。
たまたま中古車展示場を見に来たお客さんが気に入ってくれればよいのですが、この業界はそう甘くはないです。
売れないまま1ヵ月、2ヵ月が過ぎていくと、あっという間に車の価値が下がっていきます。
買取したお客さんから安く仕入れていれば良いのですが、なかなかそうもいきません。
(というか、この記事は買取店に高く買ってもらうために作成してますので)
そこでほぼ確実にお金に変える方法として、オートオークションを使います。
車の買取店は、オートオークションに出すことを前提で買取金額を計算します。
つまりは、オークション相場を予想し、そこから利益をどのくらいもらうか?を計算した上で買取金額が提示されます。
利益は営業マンが決めますので、提示される買取金額は各社さまざま。
でも参考にしている相場は、どこも同じようなものを見ています。
オークションのことをもっと詳しく知りたい人は、別記事でまとめていますので、ご参照ください。
車を売るタイミング
車を高く売るタイミングって、実はあるんです。
結論を先に言ってしまうと、売ろうと思ったらすぐに売るのが基本です。
しかし人それぞれ、さまざまな事情はあります。
例えば、
- 乗り換えだったら、新しい車が納車されるまでは売れないとか。
- 車検が少し残っているから、ギリギリまでは乗りたいとか。
- 自動車税を課税されたくないので、3月中には売りたいとか。
どうしても外せない事情があれば、そちらを優先すべきでしょう。
しかし少し工夫すれば早く売ることができる場合は、早めの売却を検討すべきです。
なぜなら無駄に長く乗り続けることで、リスクも出てくるからです。
このへんに関しては、別記事でも解説していますので、参考にしてください。
車を高く売るためのコツ
車を高く売るためのコツは、実は車を買う前から始まっています。
えっ?と思うかもしれませんが、車を購入するときに車種やグレード、ボディカラー、オプション装備なども決めますよね?
その時点で、あなたの車の将来の価値はある程度決まってきます。
少しこのへんを深掘りしますね。
新車と中古車の違いは、価格設定の仕方とも言えます。
新車はそれぞれ定価が決まっており、オプションを追加すれば金額も加算されていきます。
でも中古車の場合は、車の市場価格で決まります。
つまりは、人気ですね。
どんなに高級な車でも、不人気・不評な車は、中古市場では相場がガクンと下がります。
需要と供給の関係ですので、買いたい人がいなければ安く流通するわけです。
基本的に人気のないボディ色や、装備が充実していない車は相場が下がりがちです。
もし購入の段階で、予算に余裕があり必要性を感じたのであれば、良いグレードや装備の追加をしておけば、乗っている間の満足感が高く、そして売る時も査定に期待が持てます。
それ以外にも、査定を高めるコツはいろいろあります。
特に意識しておきたいのは、日頃のメンテナンスや付属品の保管など。
こちらは知ってさえいれば、誰にでも関係してくることです。
詳しくは別記事の、『車の買取査定をアップさせる方法|日頃から意識しておきたい10選』を参照してください。
買取店に行って査定してみる
さて、ここから買取査定の話に突入していきます。
もしあなたが初めて車を売りに行こうとしているのなら、この記事を最後まで読んでから行動してくださいね。
あなたの家の周りには、多くの車買取店があると思います。
買取大手もあれば個人規模の小さな店舗までさまざま。
まず私は、会社のネームバリューとか、店舗の大きさとかはあまり気にしません。
なぜなら先に述べた通り、買取査定で参考にするオークション相場は、どこも似たようなものを見ているから。
次に担当の営業さんがすごく良さそうな人に見えても、どんなに熱心な人でも、私は買取契約しません。
なぜなら営業マンは自分を売り込むのが最初の仕事であり、買取店として安く仕入れるためには、お客さんに信用されないとダメだから。
はっきり言います。
あなたにとって車を売りに行くのが初めてで、さらに人が良いと思われるタイプでしたら、ほぼ100パーセントの確率でカモられています。
さらに付け加えるのなら、あなたはカモられていることにすら気づいていないでしょう。
営業マンは百戦錬磨の商談のプロです。
どんな商売でも『安く仕入れて高く売る』が基本ですよね。
優秀な営業マンほど、高い買取金額を提示していることを演出するのが上手いんです。
この記事を読んでいるあなたは、買取査定に関しては素人だと思っています。
さて、あなたのようなレベル1クラスの戦士がラスボスに、どのように挑みますか?
余談ではありますが、下の別記事で、買取業界のグレーな部分を解説しています。
興味があればどうぞ。
一括査定を利用する
レベル1の戦士がラスボスに打ち勝つ方法。
それは経験がなければ、それを十分に補ってくれる武器を持てばいい。
その伝説の武器の名は『比較』です。
買取査定は1社で決めてはいけません。
なぜなら提示された買取金額が、本当に高いのかどうか、あなたには判断できないからです。
だから比較します。
最低2社、できれば3社以上。
ラスボスに勝つためには、比較という武器をもって、手数で勝負するのが基本です。
しかしあなたはここで、ひとつの選択をしなければなりません。
それは複数の買取店に査定をしてもらう場合、一度にたくさんの会社を呼ぶのか、それとも別々に呼ぶのか、です。
どちらを選択しても良いのですが、それぞれ根本的に戦い方が異なります。
基本はあなたに合った方を選べば良いです。
それぞれの詳細を別記事でまとめてます。
どちらがあなたにとってやりやすいですか?
【一括査定の基本】
【同時査定の詳細】
【個別査定の詳細】
中古車買取オークションを利用する
もし一括査定があなたに合わないようでしたら、オークション系の買取サービスを検討しましょう。
これだと査定は基本1回です。
またアレコレ疲れる話をしなくて済むので、交渉が苦手な人には良いかと。
一括査定で何社も相手にするのはイヤという方は、こちらの記事より中古車買取オークションの詳細をご確認ください。
個人売買で車を売る
個人売買をされる方も多くいますが、実はけっこうなハードルがあります。
例えば、
- 価格の決め方がわからない。
- 名義変更の書類がわからない。
- トラブルが起こると嫌だ。
そんな悩みに関しても、別記事でフォローしています。
個人売買に興味がある人は、参考にしてみると良いでしょう。
どこに査定を出しても値段がつかない場合
オークション相場がほとんどついてない車だと、買取店はリスク回避でオークションに出品しません。
なぜならどこのオークション会場でも、出品するだけで経費がかかるからです。
その場合は廃車を宣告され、逆に「解体費用がかかります」などと言われることも稀ではありません。
でも、まだ諦めないでください。
オートオークションではなく、直接輸出する業者や部品取りで商売をしているところもあります。
ただしこのような業者は、あまり一般の人には知られていないので、どうすれば買取してくれるのかわかりにくいです。
別記事でまとめていますので、車の買取店でダメなら、最後に必ず相談してみてください。
有料で廃車にしてもらうなんて、まったくをもって損してますよ。
車検が切れている場合
たまにあります。
長い間使っていなくて、気づいたら車検が切れていた。
車検が切れた車は公道を走らせることができません。
すぐ近くだからバレないだろう、なんて考えたらダメですよ。
万が一にも事故など起こしてしまったら取り返しがつかなくなることも。
査定に行かなくてもいいんです。
査定に来てもらってください。
車検切れだとしても、車の調子が悪くなければ、ちゃんと値段つく場合が多いですよ。
車を売却するのに必要な書類
こちらは参考程度にどうぞ。
買取店に売る場合は、お店の人が教えてくれますが、前もって知っておいても損はありません。
普通車と軽自動車では書類が大きく異なります。
あなたに関係する方の記事をご参照ください。
今回のまとめ
いかがでしたか?
買取査定はとても奥が深く、抵抗のある方も多いとは思います。
でも知らないと損をします。
ちゃんと知っていれば、その分あなたに返ってきます。
あなたの大切な車ですから、後悔しないよう、自分に合ったやり方で車を売りましょう。
私は普段は営業マンです。
査定したり、買取したり、オークションへ出品したりしています。
そして買取業界の不透明な部分を、常に肌で感じています。
私は、車を売る立場の人はもっと情報を得るべきだと、車買取りのことをもっと知るべきだと、本気で思っています。
だからこのまとめ記事をつくりました。
あなたが最良の選択をされることを願って。
最後に、今回紹介したすべての選択肢を掲載しておきます。
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